トピックス(賃金計算)
賃 金 計 算賃金計算はコンピューター・ソフトを使って大変便利になっていますが、ときに難問にぶつかり苦戦することがあると思います。
その原因は、コンピューターそのものの計算技術に関する側面と、どう解釈するかの法律的な側面があり、いずれも難解で奥深いものがあります。
ここでは賃金をどう解釈するか、法律面について触れてみます。
賃金計算は、労働基準法に基づいて行うことが義務付けられています。
労働基準法をひもどくと賃金に関する条文が多数のっています。しかしこれだけで読んでもまだ実際に計算はできません。労働基準法の施行規則があります。
時間外労働の計算の基礎から除外される賃金項目等はここをみないと全部分かりません。
さらに政令があり割増賃金の率の最低限度(二割五分増し)を定めています。
賃金計算は、関係法律を一つひとつひもどかなくても、市販された本を1冊読めばマスターできます。しかしながら業界・業種・勤務形態の相違、企業により賃金体系、計算方法は千差万別で、どう計算したらよいか分からない難問にぶつかることがあります。
そのため発基、基発、基収といった行政解釈が、戦後今日まで60年余にわたり多数出ており、これらになじみ親しむのが賃金計算に強くなる方法だと思います。
労働基準法の各条文ごとに発揮、基発、基収の発翰数を調べてみました。
以下、発翰数の多い順にご披露いたしますと、賃金関係が上位に並んでいることが分かります。
| 発 基 基 発 基 収 その他 合 計 第12条 平均賃金 1 24 39 1 65 第39条 年次有給休暇 1 25 17 0 43 第41条 適用除外 1 23 17 2 43 第37条 割増賃金 0 25 16 0 41 第36条 時間外休日労働 0 21 18 0 39 第 9 条 労働者の定義 0 21 17 1 39 第19条 解雇制限 0 6 17 2 25 第20条 解雇の予告 0 6 16 0 22 第24条 賃金の支払 1 15 6 0 22 第32条 労働時間 0 14 8 0 22 第18条 強制貯金 0 16 4 0 20 第11条 賃 金 0 11 6 0 17 発 基:労働基準局関係の事務次官名通達 基 発:労働基準局長名通達 基 収:労働基準局長が疑義に応えて発する通達 その他:発婦、婦発、婦収等 期 間:昭和22年~平成16年まで合計570以上ある |
賃金計算は、単なる事務行為ではありません。法律に基づき正確に計算し、確実に支払われないと、人事問題に発展します。
解雇の予告手当の計算を含めて平均賃金に関する通達が一番多いのもその間の事情を物語っていると思います。賃金計算は、人事管理の基本と考えて差し支えないでしょう。
(08.6.30 諏訪彌一郎)